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科学を知れば料理はもっと楽しくなる 味付けの失敗の原因はそこにあった!? ~温度と味覚の話~

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こんにちは。ヒッサンです!

今回は、人の味覚と温度の関係についての話をしていきたいと思います。

 

温度と味覚が関係する。これはみなさんなんとなく経験があるのではないでしょうか?

例えば、ぬるくなったジュースがとても甘く感じたり、熱いときはちょうどよかった料理が冷めると味が濃く感じたり…。

 

実は、温度というのは、味覚にとってとても重要なものなのです!

今回はそこに焦点を当てて、説明していきましょう。

もしかしたら、あなたの料理がうまくいかない理由もここにあるかもしれませんよ?

 

温度で味覚が変わるって本当?

「さといも豚汁横湯気付きさといも豚汁横湯気付き」のフリー写真素材

人間の味覚というのは、様々な要因によって影響を受けます。

なかでも、温度というのは味覚に大きな影響を与えることが知られています。

 

人間が快く感じることのできる温度は体温から±25℃程度といわれています。

なんとなく感覚でわかるかもしれませんが、熱すぎたり、冷たすぎたりするものはそのもの本来の味を感じることができなくなってしまうわけですね。

 

ただ、すべての味が同じように温度の影響を受けるわけではないことに注意が必要です!

 

以前、こちらの科学を知れば料理はもっと楽しくなる! 組み合わせで料理をもっとおいしく⁉ ~うま味の話~ - ヒサログという記事で人間が感じる味覚には「甘味」・「うま味」・「塩味」・「苦味」・「酸味」の5つがあることをご紹介しました。

この5つはそれぞれ温度による影響が違ってきます。

それぞれ説明していきましょう。

甘味

甘味は体温に近い温度でもっとも強く感じます

高温でも低温でも、体温から離れていくほどに感じ方が弱くなっていくわけです。

 

しかし、甘味物質の中には、果糖(フルーツの中に多く含まれる甘味物質)のように低温で甘味を強く示すものもあることも知っておきましょう。

果糖については以下の記事も要チェックです。

科学を知れば料理はもっと楽しくなる 冷やすと甘くなるのは本当だった!? ~果物の話~ - ヒサログ

うま味

うま味は甘味と同じで、体温に近いほど強く感じます

うま味と甘味は基本の5つの味の中でも特に温度による影響を受けやすいものなので、料理をするときには、気を付けなければいけません。

塩味

塩味は温度が高いほど弱く感じられ、低温ほど強く感じます

熱いときはおいしかったけれど、冷めると塩辛くなりすぎるのは、塩味の感じ方が強くなるからなんですね!

苦味

苦味は塩味と同じように、温度が高いほどに弱く、体温と同じくらいかそれ以下になると強く感じるようになります

例えばホットコーヒーは、アツアツの温度のときに飲むからこそ苦味と香りのバランスがちょうどよく、冷めると途端に苦味ばかりが目立ってしまいます。

コーヒーはアツアツでこそ!なんですね。

 

となるとアイスコーヒーは?と思う方がいるかもしれませんね?

実はこの温度による変化を見越して、ホットとアイスのコーヒーでは色々と違いがあるのです!

ぜひ調べてみてください。全然違いますから。

酸味

酸味はほかの味とは異なり、温度による変化を受けにくいです。

酸味だけはちょっと特殊なんですね。

 

温度と料理の関係って?

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温度によって味覚が変わることは理解できたでしょうか?

次は料理のときにどんな注意が必要なのか説明していきましょう。

 

料理の味付けをするときにしてしまいやすい失敗はなんといってもやはり、「味が濃すぎる」ことではないでしょうか?

薄かった場合は調味料を足せばいいけれど、濃い場合はどうともし難い。

しっかり味見をしたはずなのにどうしてだろう?そんな風に思ったことはないでしょうか?

 

これは、先ほどまでの話を理解していれば、失敗の正体が見えてくるはずです。

そう、「温度」によって味覚が影響を受けているからですね!

 

味付けで特に重要な塩味は、高温では弱く感じられ、低温になるほど強く感じます。

つまり、スープなどは加熱しているアツアツの状態と飲むのに適した温度のときとでは、感じられる塩味が違うわけですね!

 

このことを頭に入れて味付けをするだけでも、結果がまったく変わってくると思いますよ!

 

ちょっと余談を…

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さて、以上までで今回の話は終わったのですが、少し温度と味覚に関する余談を紹介しましょう。

 

突然ですが、みなさん、ジュースは好きですか?キンキンに冷えたジュースは甘くておいしいですよね!

僕も大好きなので、本当にそう思います。

 

しかしちょっと待って!

おいしいからといってガブガブ飲むのはあまりよくないかもしれません。

 

温度と味覚の関係から考えると、甘味は低温ほど弱くなるはずです。なのに、冷たいジュースは甘くておいしい…

さてさてどういうわけでしょうか?

単純です。その温度でも甘いと感じるほどに糖分が多く含まれているんです!

 

糖分が多いのに、冷たいために甘すぎる!と感じることなく、たくさん飲めてしまうわけです。

もしあなたが糖分をいくらとっても問題ないという人でないなら、ジュースの飲みすぎは控えたほうがいいでしょう。

 

まとめ

今回の記事はお役に立ったでしょうか?

それでは、まとめていきましょう。

  • 人間の味覚は温度によって影響を受ける。(体温から±25℃程度が快く感じる)
  • 甘味・うま味は体温に近いほど強く感じる。
  • 塩味・苦味は低温ほど強く感じる。
  • 酸味は温度による影響を受けずらい。
  • 味付けは温度と味覚の関係を頭に入れて考える。

 

世の中にはさまざまな温度の食べ物や飲み物がありますが、それらの多くは温度と味覚の関係を考慮して作られたものだったんですね。

普段何気なく感じていることですが、改めて目を向けてみると、その面白さをよく感じられるでしょう!

 

ありがとうございました。