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化学を知れば料理はもっと楽しくなる! 組み合わせで料理をもっとおいしく⁉ ~うま味の話~

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こんにちは。ヒッサンです。

今回は、いつもとは違って、科学を交えた料理に関するお話をしようと思います。

科学とは言ってもそこまで難しい話はしませんし、極力わかりやすくお伝えしていこうと思っています。

料理の根本は科学です。ですから、科学を知ることで、料理のなぜが理解でき、もっと料理が楽しくなりますよ!

 

というわけで、今回は「うま味」のお話です。

今では多くの人が知っているものですが、そもそもうま味って何なの?どういう風に使えばいいの?危険性はないの?

そんな疑問に答えていこうと思います。

では、さっそくいきましょう!

 

そもそもうま味ってなに?

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 うま味という言葉はよく耳にしますが、実際それは何なのでしょうか?
まずはそこから見ていきたいと思います。

 

うま味は5基本味の1つ

うま味とは、甘味・苦味・酸味・塩味につづく5つの基本味の1つであり、「おいしさ」とは、別のものです。

その働きは、素材の風味を引き立てたり、味をまろやかにしたりとなかなか言葉で表現するのは難しいのですが、料理にとって重要なものであるのは確かです。

一度、だしを入れずにお味噌汁を作ってみてください。きっとうま味の重要性がよくわかるでしょう。

 

成分としてのうま味

料理にうま味を与えるための成分、うま味物質としては以下のものなどがよく知られています。

  • 昆布やトマトなどに多く含まれる「グルタミン酸」
  • かつお節や肉類などに多く含まれる「イノシン酸」
  • きのこ類に多く含まれる「グアニル酸」

 

これらの物質が体の味を感知する器官にキャッチされることで、脳に信号が伝わり、人はうま味を感じられるわけです。

 

うま味の発見

日本では、昔から昆布による、だしが使われていたように、世界的にもうま味というのは料理に多く用いられてきましたが、基本味の1つとしては理解されていませんでした。

しかし、昆布だしなど、昆布に含まれる成分においしさの元があることに注目した、池田菊苗という日本人が1908年に昆布からグルタミン酸を取り出すことに成功しました。

 このグルタミン酸が昆布だしの主成分であることを突き止め、その味を「うま味」と名前を付けました。

 

こうして、日本人によってうま味は発見されたわけです。そのため、国際的な表記でも「UMAMI」と表現されています。

日本人として誇らしいですね!

 

うま味はどう使えばいいの?

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さて、うま味がどういうものかなんとなく理解できたところで、はたしてうま味はどのように使えばいいのでしょうか?

これには、もう少しうま味について理解する必要があります。

大切なことは組み合わせですよ!

 

うま味の分類

うま味の使い方を知るには、まずはうま味を分類しなければいけません。

うま味物質は大きく分けて「アミノ酸系」「核酸系」「有機酸系」の3つに分けることができます。

今回重要なのは、「アミノ酸系」「核酸系」なので、その2つについて取り上げいていきます。

 

上のところで、3つのうま味物質を紹介しました。何があったか覚えていますか?

「グルタミン酸」、「イノシン酸」、「グアニル酸」の3つでしたね。

このうち、グルタミン酸はタンパク質を構成する20種類のタンパク質の1つであり、「アミノ酸系」に分類されます。

そして、イノシン酸とグアニル酸は、「核酸系」に分類することができます。

 

うま味の相乗効果

うま味が発見されてからしばらく後、うま味というのは、1つだけで使うよりも、組み合わせることで、その効果が何倍にもふくれあがるということが発見されました。

その組み合わせというのが、「アミノ酸系」「核酸系」のうま味物質を組み合わせることというわけです。

 

これにより、感じられるうま味がなんと4~8倍にもなるということが科学的に証明されています。

これを「うま味の相乗効果」といいます。

 

この「うま味の相乗効果」が発見されたのは、うま味の発見からしばらくたった1960年ごろですが、実はこれは世界中で経験的に用いられてきました。

和食では昆布とかつお節、中華では長ネギと鶏肉、洋食では、玉ねぎやにんじんとお肉、といった具合に昔から料理に活かされてきたのです。

 

まだ科学が今ほど発達していなかった時代でも、こういったことが知られていたというのは、人の美食への探求心に驚くばかりです!

 

危険性はないの?

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うま味物質は、今や工業的に生産され、「うま味調味料」としてさまざまなところで使われています。

例えば「味の素」では、グルタミン酸ナトリウムという結晶の状態で販売されています。

少し前は「化学調味料」と呼ばれ、なんだか体に悪いような気がするものでしたが、果たしてこれは本当に危険なものなのでしょうか?

 

これについては、多くの研究がなされ、グルタミン酸ナトリウムの摂取が病的の肥満を引き起こす、やら、緑内障の発症との因果関係がある、やら色んな研究結果が報告されています。

僕は専門の科学者ではないので、はっきりとしたことは言えませんが、重要なことは、そのどれもが科学的な証明がなされていない、ということです。

つまり、今はまだ「安全だ」というにも「危険だ」というにも根拠がありません。

 

中には、摂りすぎれば健康に悪影響がある!という人がいますが、それは塩にもコーヒーに含まれるカフェインにも言えることです。

 

少し話がそれますが、みなさんは致死量というものを聞いたことがありますよね?

この致死量ですが、意外に思うかもしれませんが、実は塩にもカフェインにも致死量は存在するんです。(もちろんかなりの量ですが…)

ですから、「摂りすぎれば健康に悪影響がある」というのは、何にでも言えることで、グルタミン酸ナトリウムに限ったことではありません。

 

大切なことは、ネットやテレビからの情報ばかりに惑わされず、迷ったら自分で調べ、正しく理解することです。

「うま味調味料」というのは、正しく使うことができれば、料理の風味をより豊かにし、あなたの料理をさらにおいしくしてくれるものなんですから。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後のほうは少し脱線してしまいましたが、「うま味」というものについて少しでも理解してもらえたらうれしいです!

 

料理の根本には、経験的に科学の知識が存分に使われており、料理に役立つ科学の知識はまだまだいっぱいあります。

今後も少しずつ紹介していこうと思うので、ぜひよろしくお願いします。

 

ありがとうございました!