「冷やすと甘くなる」は本当だった!?果物の甘味と糖類の話
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こんにちは、ヒッサンです。
今回はフルーツの甘味の話をしたいと思います。
よく冷えたフルーツは甘くてとってもおいしいですよね!
ところでみなさんは、よく冷えているときとそうでないときで甘みに違いがあることを知っていますか?
よく冷えたフルーツが甘くておいしいというのは、実は化学的な根拠のある話だったんですよ!
今回はそれについて説明していきたいと思います。
今回はすこーし化学的なお話になりますが、簡単に説明していくのでサラッと読んじゃってください。
最後にまとめも載せておくので、難しい話はいらない!っていう人はそこだけ読んでみてください!
甘みのもと「糖」ってどんなもの?
さて、フルーツの甘みについて説明するには、まず「糖」と呼ばれるやつらについて説明しなければなりません。
糖という言葉を聞くと、何が思い浮かぶでしょうか?
砂糖やなんだか甘いもの、というイメージ浮かびますよね。でも、実は糖というのは、もっと広い定義を持つものなんです。
あえて定義を述べるなら、「ポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトン、あるいは加水分解によってこれらの化合物を生成する物質」となります。
なに言ってるかわからないですよね。はい、忘れましょう!(笑)
簡単に言ってしまえば、いくつかの*原子が集まってある特定の構造をしているものを糖と呼んでいるわけです。つまり、糖とは、構造による分類なわけですね!
原子・・・物質を構成するもっとも小さな1つの粒のこと
それで何が言いたいかというと、糖にも様々なものがあるということです。砂糖を構成してるものももちろん糖の1つですし、甘くない糖もあるんです。
そして!今回の話の主役となるのが、主にフルーツに多く含まれている「果糖(フルクトース)」という糖なんです!
やっとここまで来れました…。
果糖(フルクトース)
フルクトースはその名の通り、果物によく含まれており、*単糖の中では最も甘い糖なんです。ちなみにこのフルクトースともう1つグルコースという別の糖がくっついたものがみなさんおなじみの、お砂糖ですよ!
単糖・・・糖が1つだけのもの。2つになれば二糖、たくさんになれば多糖となる
糖の異性体
異性体?なんじゃそりゃ?大丈夫です。覚える必要は全くありません。
要するに、糖がとるポーズのことだと思ってください。
糖はじっとしているのが苦手なやつらで、水に溶かした状態だと大きく分けて2種類(正確にはその間にもう1種類)のポーズを交互にとっています。この2つをそれぞれ化学の世界ではα型、β型と呼んでいます。
このように同じ原子の数、種類なのに構造の異なるものを「異性体」と呼びます。
なんだか難しい話になってしまいましたが、重要なことは、糖は水の中ではα型のポーズをとったり、β型のポーズをとったりとポーズを変えながら存在しているわけです!
これは、フルクトースでも変わりません。
そして、実はこのポーズというのは、様々な要因によって、そのとり易さが変わってくるんです。
その要因の1つが「温度」!
熱い温度でとり易いポーズ、冷たい温度でとり易いポーズがあるわけです。
さて、ここまでくれば、あと少しです!
温度で甘みが変わる?
先ほど異性体、つまりポーズの話をしましたが、不思議なことに、このポーズの違いによって甘みの感じ方も違ってくるのです!
フルクトースの場合では、β型のポーズのほうが甘みが強くなります。
そして、このフルクトースのβ型が、まさに冷たい温度でとり易いポーズというわけです。
フルクトースは糖の中でも特に温度によるポーズのとり易さの差が大きく、それによる甘みの差も当然大きく、約3倍にもなります!
結果として、フルーツに含まれるフルクトースは冷やすほど甘みが強くなるというわけです!
ただし、注意しなければいけないのは、冷やしすぎもよくないということです。
冷たくしすぎれば、逆に味覚が鈍ってしまい、甘みを感じられません。
まとめ
それでは、今回の話をまとめていきましょう!
- フルーツの甘味はフルクトースという糖によるものである。
- 糖には、α型とβ型というポーズの違いがあり、フルクトースはβ型のほうが甘い。
- α型、β型は温度によってとり易さが変わり、β型フルクトースは冷やすほど多くなる。
- 結果として果物は冷やすほど甘みの強いβ型フルクトースが増え、甘みが強くなる(約3倍)。
- ただし、味覚が鈍るほど冷たくするのは逆効果。
いかがでしたでしょうか?
今回は料理はあまり関係ありませんでしたが、普段の生活のちょっとしたことにも科学(化学)が関係しているのは面白いですよね!
もうすぐ暑い季節。冷たーくしたフルーツをぜひおいしくいただいちゃって下さい!
ありがとうございました。